元読書嫌いの本紹介📚

コロナ禍をきっかけに本が好きになった元本嫌いによる読んだ本の紹介。

いじめの被害者も加害者も傍観者も読むべき本。 【人生を変えたコント 霜降り明星せいや】

今回紹介するのはお笑い芸人霜降り明星せいやさんの『人生を変えたコント』

□個人的好き度★★★★★

□読みやすさ ★★★★★

 

 今年一番読んで良かったと思える本に今年残りわずかな所で出会うことが出来た。母が金スマを見ていて、この本読んでみたいと言っていたのがきっかけで、私は金スマを見ていなくて、ちょうど番組が終わったところでお風呂から出てきたので、「せいやの本読んでみたいよね?」と母から言われても、心の中で「ん?」と思ってしまった。再現VTRを見ていなくて話しの内容を知らないから、頭の中に?が登場しただけで、タイトルを聞いたとき、面白そうだなと思い、「気になる! 読んでみたい!」と返答したら、翌日購入して帰ってきた。

 

 「最初に読んでいいよ!」と言われ、ページを捲ったら、栞がいらないほどに、あっという間に読んでしまった。ページ数も少なく、文字も大きめで、文体も固くなくて読みやすいし、ユーモアさも…ここが笑う場所なのかという部分は読んでいて何カ所かあったのですが、私は笑えなかった。あまりにもいじめのレベルが壮絶すぎて…頭を殴られたかのような衝撃で、後から仲間が出来て、文化祭のコントを成功させるために奮闘している所から最後にかけては良かったと笑えるようになったが、最初は全然笑えなかった。

 

 私も学生時代、せいやさんほど壮絶ないじめではなかったのだが、いじめられていた過去があって読んでいて苦しくなってしまった。私は何も言い返すことが出来ず、逃げてしまったので、逃げずに立ち向かったせいやさんの精神力や信念すごいなと思った。「コント」で「お笑い」で逆境に立ち向かい、一階失敗してもへこたれず人生を変えようと奮闘している姿に胸が熱くなった。せいやさんの底抜けの明るさ、家族思いなところ、理不尽や悪に屈しない負けず嫌いなところがひしひしと伝わってきて、心震えた。

 

 いじめは他人がどうこう出来る問題じゃないし、時間が経っても傷は残ったままでふとした瞬間に思い起こされてしまう。加害者は何も覚えていないだろうけど、被害者は死ぬまで傷が残ったまま。だから、いじめ、いや人を理不尽に傷つけることはあってはならないし、いじめで苦しんでいる人は、せいやさんのように立ち向かってもいいし、逃げてもいいから、命を絶つことだけは辞めるべき。悪いのはいじめてくる奴らであって、そんな奴らのために命を犠牲にしなくていい。逃げたとしても、いずれ彼らをぎゃふんと言わせるようなことを成し遂げればいい。色々と考えさせられる作品で、映画にしてほしいほど良かったので、ぜひ読んで欲しい。

 

 

〇印象に残った言葉

●そうかこれが友達か。数なんていらない。ひとりでいいんだ。胸を張って友達だと呼べるひとりがいれば、こんなに人生が明るくなるんだ。

 

●いじめている人間とはとてもかわいそうなのである。人を苛めてくる人間というのは不幸で、自分にまったく満足していない状態であり、絶対にそんなやつに人生を変えられてはいけない

 

 

〇調べた言葉

蹂躙

暴力・強権などをもって他を侵害すること。

 

 最後まで読んでくださりありがとうございました。